プロの所作は真似したくなりますが、形だけを写しても再現性は安定しません。大切なのは「何を優先して、そのためにどう握るか」という因果です。西村優菜のパター握り方は繊細なタッチと安定した始動で知られ、その原則は誰にでも応用できます。この記事では握りの目的を言語化し、グリップ圧や手の役割、型の選び方、セットアップ、ミス別修正、用具の整え方を段階化して解説します。
最後に日常に落とし込む練習プランも用意し、今日からの一打を変える具体性を担保します。
- 目的は距離感の再現、形はその手段。
- グリップ圧は弱く一定、余計な力を排除。
- 両手の役割を分担し軌道を守る。
- 型は相性で選び、無理に固定しない。
- ルーティンで初速を揃え、外乱を減らす。
西村優菜のパター握り方はこう学ぶ|やさしく解説
最初に骨子を押さえます。ポイントはグリップ圧の一定化、手首のロック、そして肩主導の始動です。握りは形よりも機能の翻訳で理解し、距離感の初速を優先します。握る理由が明確なら、多少の形の違いは問題になりません。
グリップ圧の目安と維持のコツ
パターのグリップ圧は「持つ」ではなく「添える」に近い弱さが基準です。弱く保つほどフェース面が暴れず、初速が一定になります。とはいえ弱すぎるとトップで緩みます。目安は指先で握り、手のひらは軽く触れる程度。ストローク中は親指と人差し指の圧を固定し、切り返しで圧の変化を作らないことが安定の核です。
左右の役割分担でフェースを管理する
右利きなら左手がフェース向きを管理し、右手は初速の微調整を担います。左手の甲を目標へ送り続ける意識が、開閉の過剰を防ぎます。右手は掌で押さず、指で添えて押し出す感覚に寄せます。どちらかが主役になり過ぎると、方向と距離の二兎を追って乱れます。役割を明確に分けるほどミスの幅は小さくなります。
手首を固め肩で振る始動の作り方
ストロークは肩の揺り子で動かすと再現性が上がります。手首が折れるとロフトとフェースが同時に変化し、距離感が崩れます。前腕から手首にかけて一本の棒を意識し、二の腕と胸の距離を保ちながら始動します。小さな幅で反復し、ヘッドが地面を擦る音を一定にすることが、軌道の微細なズレを減らします。
アドレスの圧と視線で初速を決める
初速はアドレスの重心と視線で決まります。重心は土踏まずの真上、視線はボールの真上〜やや内側。目が外に出るとアウトサイドインを誘発します。前傾は腰で作り、背中を丸めないこと。ヘッドの見え方が変わると距離感が不安定になるため、構えの再現をルーティン化してぶれを抑えます。
「狙う」より「置く」でラインを使う
ショートパットはカップの内側、ミドルは傾斜の上側へ「置く」意識が有効です。まっすぐ狙うより、転がりの面を使い安全側へ外す選択が三パットを減らします。狙う位置を先に言語化し、握りはその目的に寄せます。目的→手段の順序が、当日の迷いを消してくれます。
ミニFAQ
Q. 握りは強めが安心? A. 初速が跳ねやすくなります。弱く一定に保つ方が距離が整います。
Q. 手のひらで包むのは? A. 過度に包むと手首が利きます。指主体で軽く支える方が安定します。
Q. 緊張で震える時は? A. 呼吸を深くし、短い幅の素振りを三回。圧の再確認で落ち着きます。
手順ステップ(骨子の定着)
①指で軽く握る ②左手で向きを管理 ③右手は初速を添える ④肩で始動 ⑤視線と重心を固定
ミニチェックリスト
- 親指の圧は変わっていないか。
- 左手の甲は目標へ向いたか。
- 肩から始動できたか。
- 視線は内に入り過ぎないか。
- 狙いを言語化してから構えたか。
グリップ圧の一定化、手首のロック、肩主導の始動。三点が揃えば握りの形は目的を果たします。順序を守り、日々の微調整で安定を積み上げましょう。
型を比較して相性で選ぶ(逆オーバーラップ・クロスハンド)

握りの型は手段です。代表的な逆オーバーラップとクロスハンドは、狙いと体の特徴で選びます。どちらも距離と方向のトレードオフを整理すれば、自分の弱点を補える型が見えてきます。
逆オーバーラップの狙いと作法
左人差し指を右手の上に重ね、両手の一体感を高める型です。手首が利きにくく、フェースのねじれが抑えられます。距離感は肩主導に寄るため、始動のリズムを一定にする意識が必須です。指で支え、手のひらで強く包まない。小幅の反復で初速の再現性を育てます。
クロスハンドの狙いと作法
左手を下、右手を上にして握ります。右手の介入が減り、左手主導でフェース管理がしやすくなります。高低差のあるグリーンで方向性が安定しやすい一方、距離の微調整は練習量が要ります。肘を軽く外へ張り、肩の揺り子を崩さずに押し出す感覚を優先します。
どちらが合うかの見極め
強めに押し出してしまう人はクロスハンド、方向の散らばりが大きい人は逆オーバーラップが出発点になります。実際には混合型も有効です。週単位で固定せず、今の課題に対して最小の変化で効果が出る型を選ぶと、迷いが減ります。
比較ブロック
弱み:距離は肩頼みになりがち。
クロスハンド:押し出しが減る。
弱み:距離の微調整に慣れが必要。
ミニ用語集
- 逆オーバーラップ:左指を右手に重ねる基本型。
- クロスハンド:左手が下、右手が上の配置。
- フェース管理:向きを一定に保つ操作。
- 初速:ボールが出る直後の速さ。
- 揺り子:肩を支点に振る動き。
型は弱点を補うための選択です。比較して相性を決め、短い幅での反復に落とし込めば、どちらでも結果を出せます。
セットアップとアドレスで作る再現性
握りはアドレスと相互作用します。足幅、前傾、ボール位置、目線が揃えば、同じ握りでも結果が安定します。ここでは初速を揃えるための配置に絞って整理します。
スタンスとボール位置の決め方
スタンスは肩幅よりやや狭く、ボールは左目の真下〜わずか内側。フェースのロフトが意図せず増減しない位置が基準です。足裏は土踏まずの真上、つま先と踵に同じ圧が乗る感覚を作ります。位置が決まれば、握りの圧が同じでも初速が安定しやすくなります。
前傾・背骨角と目線の合わせ方
前傾は腰から折り、背中は長く保ちます。顎を引き過ぎると視線が内に入り、アウトサイドインの軌道を誘発します。目線はボールの真上か内側1球分。ライン上の一点に焦点を置き、手の動きではなくヘッドの音を感じる意識を優先しましょう。
肩・肘・手首の一体感を作る
両肘は軽く外へ張り、二の腕と胸の距離を一定にします。手首は折らず、前腕から一直線。肩の左右差を消すため、始動の1秒前に息を吐き、圧を下げます。こうした準備が握りの効果を実戦で引き出します。
有序リスト:アドレス手順
- 足幅を決め、土踏まずに重心。
- ボール位置を左目の真下に置く。
- 前傾を腰で作り背中を長く保つ。
- 目線をラインの一点に固定。
- 肘を軽く外へ張る。
- 指で軽く握り親指の圧を一定。
- 肩で始動する合図を決める。
ミニ統計(体感ベース)
- 目線調整だけで方向ブレ約30%減。
- 前傾の統一で初速のばらつき約25%減。
- 肘の張り意識で打ち出しの再現約20%向上。
アドレスは握りの土台です。順序を固定し、目線と重心で初速を整えれば、握りの効果が最大化されます。
ミス別の修正とドリル(ひっかけ・プッシュ・距離感)

ミスは原因が分かれば素早く修正できます。ここではひっかけ、プッシュ、距離過多/不足の三系統に分け、握りと動きの関係で対処します。
ひっかけの修正
原因は右手の被せとアウトサイドイン。対策は右手の圧を下げ、左手の甲を目標へ送り続けること。ボール位置を1球分右へ戻し、始動を小さく。10球中7球がカップ手前で止まれば成功です。握りは指主体に戻し、手のひらの介入を減らします。
プッシュの修正
原因は目線の外出しとインサイドイン過多。目線をボール真上へ戻し、右肘を体側へ軽く寄せます。左手主導で押し出し、右手は添えるだけ。グリップ圧を1段階下げ、ストローク幅を短くします。ボールが右へ出る癖は、視線と右手の圧で多くが解決します。
距離感の再構築
距離は初速と接触時間で決まります。弱い圧で一定に当て、同じ幅で振る練習が有効です。カップまでの三地点で5球ずつ。すべて「手前から」止まる設計を守れば、オーバーの三パットが消えます。握りは弱く一定、肩で振る意識を崩さないことが条件です。
無序リスト:即効ドリル
- コインタッチ:ヘッド軌道の音を一定に。
- ゲート通過:フェースの開閉を抑制。
- 幅固定:肩幅だけで往復する。
- 手首ロック:前腕一体で振る。
- 逆目転がし:初速を弱く一定に。
- 片手左打ち:フェース管理を学ぶ。
- 片手右添え:初速の微調整を知る。
よくある失敗と回避策
失敗:緊張で強く握る。回避:呼吸→親指圧の再確認。
失敗:外した直後に型を変える。回避:その日は幅と初速のみ修正。
失敗:上りで強振。回避:幅一定で振り抜く。
コラム:外さないより「正しく外す」
安全側へ外す判断は勇気です。上から入るラインを選べば次が楽になり、結果としてスコアが縮まります。握りはその判断を実行するための鍵に過ぎません。
ミスは型でなく運用で治ります。視線・圧・幅の三点に戻れば、握りの良さが戻り、当日のブレは収束します。
ギアとグリップ形状で握りを助ける
握りの再現には用具の適合が不可欠です。ヘッド形状、シャフト長、グリップ断面が手の使い方を誘導します。ここでは形状の選び方とフィットの基準を表とベンチマークで整理します。
グリップ断面の違いと相性
ピストル型は親指の収まりが良く、フェース管理に向きます。丸断面や太グリップは手首の介入を減らし、押し出し癖のある人に効果的です。素材はラバーが汎用、PUは軽さと手触りで優れます。サイズを上げ過ぎると距離感が鈍るため、慎重に選びましょう。
ヘッドとロフト・ライの考え方
ブレードは操作感、マレットは慣性で直進性。ロフトは2〜4度が一般的で、打ち出しの跳ねを抑えます。ライ角はソールの当たり方に直結し、トウダウンが強いとフェースが右を向きやすくなります。静的な数値より、転がりの質で判断しましょう。
シャフト長と姿勢の整合
長すぎると前傾が浅くなり、目線が外に出ます。短すぎると手首が折れます。普段の靴と姿勢で、目線がボールの真上に置ける長さが基準です。カットや挿し替えは小幅で試し、握りとの相互作用を確認します。
| 項目 | 選択肢 | 狙い | 強み | 留意点 |
|---|---|---|---|---|
| 断面 | ピストル | 向き管理 | 親指安定 | 圧が強くなりがち |
| 断面 | 太グリップ | 手首抑制 | 押し出し軽減 | 距離微調整が鈍る |
| ヘッド | ブレード | 操作性 | 繊細 | 慣性が小さい |
| ヘッド | マレット | 直進性 | 慣性大 | 重さに慣れが要る |
| 素材 | PU | 軽さ | 手触り良 | 耐久に差 |
| 素材 | ラバー | 汎用 | コスパ | 湿度で滑る |
ベンチマーク早見
- 太さは手のひら幅で選ぶ。
- 親指は真上、圧は弱く一定。
- ロフトは転がりで判断。
- ライはソールの接地で確認。
- ヘッドは迷えばマレット基準。
- 素材は季節と汗の多寡で選択。
用具は握りの働きを助けます。断面・ヘッド・長さの三点を相性で決め、転がりの質で最終判断すれば、練習の成果がコースに出ます。
90日で定着させる練習設計と運用
握りの改善は習慣化が鍵です。ここでは90日のロードマップを作り、家庭・練習場・コースでの運用を具体化します。狙いは初速の再現と判断の簡素化です。
家庭での10分ルーティン
毎日10分の反復で握りの圧と幅を固定します。鏡の前でアドレス→肩主導の素振り→1mのストレートパット。音と転がりに集中し、結果ではなく再現に価値を置きます。床にテープでゲートを作り、フェースの開閉を視覚化します。
練習場の30分メニュー
週2回、30分のセッションを設定します。序盤は1m×左右5球で方向、次に3m×左右5球で距離、最後に下り想定で初速を抑える練習。握りの圧が上がっていないか、親指の位置がずれていないかをチェックします。記録は動画よりもメモを優先します。
コースでの運用と振り返り
ラウンドでは歩測を一定にし、狙いを言語化してから構えます。外した後は型を変えず、初速と幅のチェックだけを行います。終わったら3つの原因と1つの改善をノートへ。積み上げで握りの再現が強くなります。
無序リスト:90日チェックポイント
- 親指の圧が一定化したか。
- 肩主導の始動が自然か。
- 目線が外へ出ていないか。
- 1mの成功率が上がったか。
- 外した後の判断が速いか。
- 用具の変更は最小か。
- ルーティンが短く整ったか。
ミニFAQ
Q. 何日で実感できる? A. 2週間で初速の揃いを感じやすく、90日で再現が定着します。
Q. 家でカップが無い時は? A. コインやテープでゲートを作り、音と初速に集中します。
Q. 雨の日の練習は? A. 室内で幅固定と指の圧だけ反復します。
手順ステップ(ルーティン統一)
①狙いを言う ②視線を一点に置く ③親指圧を確認 ④肩で始動 ⑤同じ幅で振り抜く
習慣が握りを強くします。短い反復を積み上げ、判断を簡素に保てば、プレッシャー下でも同じ転がりが出ます。
まとめ
西村優菜のパター握り方から学べるのは、形ではなく目的の置き方です。弱く一定のグリップ圧、手首のロック、肩主導の始動という骨子が距離と方向を同時に整えます。型は逆オーバーラップとクロスハンドを相性で選び、アドレスの順序で初速を揃えましょう。ミスは視線・圧・幅の三点へ立ち返れば早く収束します。用具は断面・ヘッド・長さの三点を相性と転がりで判断し、変更は一度に一つ。日々の10分と週の30分、そしてコースでの言語化ルーティンを90日積み上げれば、再現性が身につきます。握りは目的の手段です。目的を言語化し、最小の工夫で最大の安定を得ましょう。

